d.点字表示 の4種で、これらを一体的な系として関係づけて、総合的な音声・触覚案内システムを構築する必要がある。 3)案内様式別にみると、原則的な対応の方向性は次のように考えられる。 a.敷設ブロック=性能条件に基づいて、基本的な歩行ルートと危険域を明示できるように区分して整理する。 b.誘導チャイム=性能条件に基づいて、限定した施設位置を識別できるように整理する。 c.音声案内=基本的な歩行ルートを伝達できるように新規な設備方法を根本的に検討する。 d.点字表示=音声案内を補足するシステムとして、視覚表示と一対な設備方法を根本的に検討する。 4)設備を計画する側にとって留意すべきことは、 a.できるだけ付け焼き刃的な対応を排除する。 b.安全で確実な歩行ルートの確保を目標に、手法にこだわらない総合的な計画を行う。 c.計画された内容は、コード(全国的な約束事)として利用者一般が認識できる水準とする。 d.対応には限界があることを前提とし、総花的ではなく、目標に絞り込んだ対応策を検討する。 e.計画時点の対応策を、障害者及び利用者全般に対して確実に広報する。 などが指摘できよう。 2. 環境整備上の留意点 視覚障害者の情報受容環境を整えるための留意点として、次のことが指摘できる。 1)ホームや車内で通常行われている音声放送では、例えば「整列乗車の呼びかけ」や「かけ込み乗車注意」「忘れ物注意」「迅速降車の呼びかけ」など利用者管理のための放送も多く、それらのインパクトはかなり強い。これらが鉄道利用上重要な「列車情報」の聞きとりを妨げることのないように留意する。 2)駅構内では利用者に必要な音と管理者に必要な音を整理して、機器故障報知音などの管理音を抑える方策について検討する。 3)構内売店の出す音・売り子の発する拡声音など構内で放置されている音を再点検して、音環境の秩序を回復する方策について検討する。 4)駅舎建設の平面計画において、乗降動線の組み立てや設備配置について共通化の方策を検討する。ただし各駅の空間全体が共通して画一的、無個性になることを避ける配慮が必要である。 5)駅舎建設の空間計画において、改札周辺の滞留空間と通路上の移動空間それぞれの環境を変化させるなど、単位空間意味の違いが体感できる方策を検討する。 6)駅舎建設の空間計画において、採光や通風に留意し、駅舎の立地的特性や単位空間意味の違いが体感できる方策を検討する。
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